窓・日本のかたち・ The Form of Japanese Window

(板硝子協会)

昨年板硝子協会が、創立50周年の記念事業の一環として記念誌を発行されました。その記念誌の「日本のかたち」より、一部掲載

富士山古墳家形埴輪

日本のマド、即ち廂(ヒサシ)の祖形、潮や月を相(ミ)、政を行う軸組み空間と考えられる。

伊勢神宮内宮外玉垣南御門

鳥居は此岸(シガン)と彼岸の結界であり、二つの世界を離隔する「マ」の概念の象徴である。

唐招提寺金堂

単層裳階なしの吹放ち(廂)。来朝僧如宝の設計と伝えられている。

西芳寺湘南亭

湘南の名から露台を水面に向けた開放的な茶室の雰囲気が感じられる。水面から土天井、露台に反射した光は茶席の天井、畳みへと、奥へ明るさを導いていたと想像される

桂離宮古書院

いろりを中心とした生活空間である広間も初期のものは土間住まいが少なくない壁に土を塗り残して作ったその窓は民家の窓としてもっとも初期の形である

茨城県の民家

雨戸の戸袋は縁隅に置かれるのが一般的であるが、中間に配置すると透けた感じを協調する効果も生まれる。

尾田家住宅(石川県石川郡/白山麓民族資料館)

民家成立以前の構造形式を持つ。妻側の入り口上部に土間の採光のための窓と、破風にいろりの排煙口が設けられている

鳥海町民家−夏
秋田県由利郡

雪国においても夏の暑さは厳しいものが有り、開放的な作りが求められる。しかしそのままでは冬には生命の危険にさらされるので、周りを草や板で囲って家を護る。

鳥海町民家−冬
秋田県由利郡

それが雪囲いである。茅葺き民家では、囲った茅で屋根を葺きかえるのでいっそう無駄がない。

雪のため窓は上部に配置されている。

長崎のバンガロー
グラバー邸

硝子扉とファンライト(扇窓)の内側にはカーテン、外側には鎧戸があり、内外とも土足。折れ曲がったベランダに曲面の軒天井

長崎の丘の上に建った日本最古のバンガロー住宅

無鄰庵(山県有朋)

ガラスの部分の衣装から完全に脱し、虚実の間(ハザマ)を実在化したような皮膜性を作り出した。細身の格子にガラスをはめ、大きな面を造る創意は、ヨーロッパに影響を与え、ガラスの大きな透明性の獲得へと技術発展を触発するものとなった。

仁風閣ベランダ

天皇家の行啓に際して宿舎として建てられた洋館のベランダ。

下のベランダは室内化していない。

関西電力オール電化ハウス

屋根面には無反射硝子を使用したソーラパネル

Low-e(低熱放射)硝子の複層ガラスを使用したアトリューム

各室の窓には、それぞれの窓の向きに応じた機能複層ガラスを使用

クリスタルタワー
(大阪)

太陽の放射エネルギーの夏場の熱線反射を考慮した熱線反射硝子を前面に使用

この様な熱線反射硝子が出来たため、省エネルギーを考えながら全面に硝子を使用する建設が可能になった。

メインへ