6.窓形態の方向性
住宅開口部の開閉形態は,多くはない。一般的な開閉形態は引違い、はめ殺し、開き、すべり出し、内倒し、上げ下げ、ガラスルーバーといったところである。これらを組み合わせた出窓や玄関ドア、引戸、勝手口ドアがあれば、家一棟分の対応が十分と言える。その他に、引違い戸に雨戸やシャッターが組み合わせされたものや、三本引きや四枚建ての建具などもあるが、これらは引違いの応用製品である。
これらの製品は、一般仕様で普通のニーズを十分満足しており,性能強化の要求がないことから,、仕様改善が多くないのが実情である.特殊窓として、ガラスルーバーのようにハンドルで全部のガラスを一度に開閉するオペレーター機構操作が増えている。ガラスルーバーは、水密性能が一般サッシより低いため、水回り等に使用するだけというように用途が限定されている。そのためガラスルーバー機構を一般居室にも使えいるようにと開発されたのが、オーニング窓と呼ばれる製品である。縦型と横型があり、障子数枚を同時に開閉する構造のサッシであり、最近注目されてつつある。
サッシは、より高性能化への要求が進むものと思われる.まだニーズは少ないが、二重ガラスの間にブラインドを内蔵し、夏場の遮熱と目隠し機能に加え,防犯性と安全性を向上させた製品等がある.優しさ,肌触り、心地よさを感じる製品として,、アルミ木複合サッシが一部品揃えされているが,、出荷量はまだ少ないのが現状である。
規制緩和により輸入住宅が増え始め、窓に木製サッシが多少使われ始めたこともあり、外は耐候性に優れたアルミ、室内は人に優しい木質の製品が、市場に受け入れられていくものと考える。現段階では木質そのものは高級指向市場には受け入れられているが、普及品レベルとなるにはまだまだ時間がかかりそうだ。普及への過渡期として、アルミ樹脂複合サッシで内部が木質というものが製品化され始めており、アルミ熱遮断構造サッシ、アルミ樹脂複合サッシ、アルミ木複合サッシと徐々にユーザーの選択肢が広がってきていることは間違いない。
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