■ガラスを用いた開口部の安全設計指針(総則の部分のみ抜粋)

1. 総則
1.1 目的
この指針は、建築物に設けられるガラス開口部への人体衝突破壊によって人体が
受ける重大な傷害を防止することを目的とする。
1.2 適用対象についての考え方
この指針に示される安全設計の方法は、すべてのガラス開口部(1)に適用できるが、
個別の設計物件についての、安全設計の緊要度の検討は次の各号により行う。
(1) 「ガラス開口部」とは、透光の目的で板ガラス又はその加工品を使用し、内・外壁の
開口部、衝立て、間仕切り等を構成するもの。
(1)人体衝突が起こりやすく、安全設計の必要度が高いと考えられるガラス(2)は短辺の
長さ
(方形以外のガラスでは短径の長さ)45cm以上のもので、かつ次の部位にいずれか
使用されているものである。
@出入口のドア(開き戸、引き戸等)、サッシ、建具等に使用されているガラスで、床面
から60cm未満の高さに下辺があるもの。
A出入口のドア(開き戸、引き戸等)、サッシ、建具等に隣接して、それらの短辺から
水平方向に測って、建築物の居住専用の部分(4)では30cm未満、その他の部分では120cm
未満の範囲、かつ、床面から60cm未満の高さの範囲に、一部又は全部が含まれるガラス
ただし、そのガラスと出入口との間が、恒久的な間仕切壁で仕切られているときなどの
ように、出入口との間に連続したガラス面を構成していないときには、そのガラスは対象
としない。

B前期@、A以外で、床面から測って、建築物の居住専用の部分では30cm未満、その他
の部分では45cm未満の高さに下辺があるガラス。ただし、学校、体育館その他これらに
類する用途に供する建築物又は浴室、シャワー室その他にこれらに類する用途に供する室
においては、60cm未満の高さに下辺があるガラス。
(2)この指針において安全設計の対象とする「ガラス」は、ガラス1枚毎とし、その寸法、
面積、見付け寸法、見付け面積とする。
(3)「出入口」とは、人の通過を目的とする開口部をいう
(4)「建築物の居住専用の部分」とは、住宅、共同住宅、下宿、寄宿舎、養老院その他
これらに類する用途に供する専用の部分をいう。
備考「床面からの高さ」は、ガラスの開口部の面外方向に測った両側それぞれ60cm
範囲内にある、通行可能な床面のうち、最も高いものから上方に測るものとする。
(2) 左記(1)に該当するガラスについて、以下の例示を参考に緊要度を検討し、安全設計の
適用対象とするかどうかを判断する。
@傷害発生の頻度、傷害の程度、建築物の公共性等から考えて緊要度が高く、安全設計が
求められるもの。
(a)集会場等のロビー等:劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他
これらに類する用途に供する建築物の玄関ホール、ロビー、階段周り等のガラス開口部。
(b)百貨店、展示場などの通路、休憩所等:百貨店、マーケット、展示場、遊技場その他
これらに類する用途に供する建築物の不特定多数の人々が利用する通路、休憩所等のガラス開口部。
(c)学校、体育館等:幼稚園、保育所、小中高等学校その他これらに類する用途に供する
建築物及びそれらに付属する体育館等、主として幼児、少年が利用する建築物のガラス開口部。
A緊要度が@につぎ、安全設計が望まれるもの。
(a)事務所、店舗等の玄関周り等:事務所、店舗その他これらに類する用途に供する建築物
の玄関周り、階段周り等のガラス開口部。
(b)病院、ホテル、共同住宅等の共用部分:病院、診療所、ホテル、旅館、共同住宅、
養老院その他これらに類する用途に供する建築物の共用の玄関、ロビー、待合室、階段
周り等のガラスの開口部。
(c)病院、養老院等の居室:病院、診療所の病室、養老院等の居室、その他これらに類する
用途に供する建築物の居室のガラス開口部。
(d)住宅、共同住宅、ホテル等の居室:住宅、共同住宅の居室、ホテル、旅館、下宿の
宿泊室、寄宿舎の寝室その他これらに類する用途に供する建築物の居室のガラス開口部。

安全設計の方法については、「ガラスを用いた開口部の安全設計指針の手引き」をご参照ください。
機能ガラス普及推進協議会 資料より